失敗したら自分のせい。成功したら誰かのおかげ。

社会人1年目の時に副業で自分のビジネスを始めてから、もう7年以上の月日が経とうとしています。幸いなことに当時からたくさんの起業家人生の先輩から教えを請うことができていたおかげで、暴走したり調子の乗ったり道を外すことなく今に至ることができました。(多少調子に乗ったことはあるかもしれませんが)

特に僕にとって大きかったと感じている学びが「失敗したら自分のせいだと思え。成功したら誰かのおかげだと思い感謝しよう」というマインドセットです。

要は他責にならず自責思考を常に大事にすることと、常に感謝の心を忘れないようにしようということです。古くからずっと言われていることですが、この教えを何度も何度も口酸っぱく23歳の頃から繰り返し伝えられて、本当に良かったと心から思ってます。

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不平・不満を主張しても問題は解決しない

今となっては自分でも信じられない話ですが、高校生の時『ドラゴン桜』という受験ドラマおよび原作マンガが流行っていた頃、僕は自分の成績が上がらないのは高校の先生の指導力が低いせいだと本気で思ってました。

なんで学校の授業はこんなにもつまらないのか。ドラゴン桜のように面白くて分かりやすい授業をしてくれれば、もっと自分も勉強が好きになるし、成績も伸びるのに…!高校の先生だったら少なくともドラゴン桜を見て授業のやり方を工夫くらいしてくれても良いのになぁ。

なんてことを、自分自身が全く勉強をしておらずサボっていたのを棚に上げて、本気で考えていたわけです。

SNSが僕たちの生活における重要なピースになってから「正義マン」という言葉も生まれましたが、世の中に対する不平不満を上から目線で、さも自分自身の考えが合理的で正しいかのように主張する人が増えてますよね。

  • 自分が貧しいのは社会のせいだ。
  • 自分が不幸なのは政治家のせいだ。
  • 自分が成功できないのは環境が悪いからだ。

もちろん、ロジックだけで言ったらそれはそうなのかもしれません。それを主張して建設的な議論を巻き起こすことで、社会が良くなるかもしれません。社会や政治や教育や福祉に声を上げることなく、全てを自己責任論で片付けようとするのは大人として無責任かもしれません。

ただ「社会が悪い」とか「政治が悪い」とか「環境が悪い」とSNS上で主張したところで、果たして自分の抱えている問題が解決するでしょうか。きっと、非常に難しいでしょう。

今の自分が抱えている問題が「経済的に貧しい」ことなのであれば、仕事を増やしてみるとか、自分でビジネスをやってみるとか、クラウドワークスやココナラのようなサイトに登録してみるとか、空いた時間でウーバーイーツの配達員をやるとか、色々と選択肢はあるわけです。

世の中に対して問題提起をすることは大きな意味があると僕は思います。ただ、それは長期的に見た際に、この社会のシステムを健全な状態に保つためであったり、自分たちの次の世界に膿を残さないためであったり、個人的な価値観や生活に対するエゴイスティックな態度から一線を置いた立場で語るべきじゃないかと思うんですよね。

「不平不安を言うこと」が「お金を稼ぐために努力すること」よりも優先順位が高くなってしまうようでは、当たり前の話だけど、貧しいという問題はいつまで経っても解決しません。

自分の問題を誰かのせいにしていても、何も変わることがないのですから。

結局のところ、変えられるのは自分自身だけ

「他人を変える」ことは基本的にとても難しいです。

それが「社会」とか「政治」とか「環境」といった実態の見えないスケールの大きな規模になってくると、余計に変えるのは困難です。

「学校の授業がドラゴン桜よりもつまらない」という当時の僕の主張はきっと間違っていないでしょう。

ただ、学校の先生に提案をして授業の方針を変えてもらうことと、自分でドラゴン桜を参考にして自主学習を頑張るのを比較した時、後者の方が圧倒的に現実的なんですよね。

同様に会社に不満がある場合も、その会社の風土やシステムに変革を及ぼそうとするより、その会社を辞めてしまって、もっと自分にとって居心地の良い場所へ移る方が圧倒的に簡単です。

こういう話を聞くと「転職だって難しいんだから無責任なことを言うな」と反応する層も一定数いるんですけど、自分自身で行動を起こすのが難しい(or 面倒臭い)から、先生や学校や職場や政治という得体の知れない大きな組織に責任を委ねるのって、コスパが悪すぎます。それに、シンプルにダサいじゃないですか。

他人や環境を変えるよりも、自分を変える方が圧倒的に簡単という事実にちゃんと向き合えるかどうかで、僕たちの生きやすさは劇的に変わっていきます。

ビジネスは自己責任の世界

特にビジネスは自己責任の世界です。

自分でビジネスを実践して、会社に雇われるのではなく自分の力で収入を得ることを選択したのであれば、上手くいかない時も他責するのではなく自責思考で考えましょう。

例えば、SNSを見ていると「○○さんがオススメしていた仮想通貨を買ったら暴落した!」と、推薦元の○○さんを非難するようなツイートをしている人もいます。ただ、最終的に○○さんの意見を採用することにしたのも、その仮想通貨を実際に購入したのも他ならぬ自分自身ですよね。

…こういう話をするとオーバーな例だと思われるかもしれませんが、上手くいかない時に責任転嫁をしたり、外部要因のせいにして原因を自分に省みなかったりする人は意外と多いのが現状です。

ビジネスで成功しようと思ったら、「仮説を立てて行動して検証して改善する」というサイクルを徹底的に回し続ける必要があります。

にも関わらず、上手くいかない時に誰かのせいにして終わりにしてしまっては、ビジネスをする上で最も大事な「改善」が捗らないですし、そもそも他責思考が強い人には「仮説を立てて行動によって検証する」という発想がありません。

常に自分の人生の結果を、偶然とか運命とか、あるいは血も繋がらないような他人に委ねている。

これではビジネスで結果を出せるわけがありません。

自己責任が前提となっているゲームの舞台で他責思考を貫こうとしても、そのゲームに勝つことはできないし、結果として自分が損するだけです。だったら、全てが自分次第だと捉えてしまった方が遥かに楽だし、「まだまだ自分にはやれることがある」と気づけるようにもなるので、前向きに現状と向き合うこともできるようになります。

問題の優先順位を間違えないために

僕が思う他責思考の一番の問題点は、自分自身の解決したい問題を解決することよりも、他責すること(自分の責任を逃れること)の優先度の方が高くなってしまうことです。

今まで例に挙げた、成績が伸びない理由を教師のせいにしたり、自分の収入が低いことを政治のせいにしたりすることも、「成績を伸ばす」という目的達成のためには「自分で勉強法を工夫したり勉強量を増やして努力すること」が最善の手段になります。「収入を増やす」ことがゴールなのであれば、政府批判をするよりも、自分でビジネスを立ち上げたり、もっとたくさん働く方がよっぽど可能性が高くなるわけです。

自分を変えた方が早いのに、環境や社会や他人の不満ばかり並べているのは、問題の原因が自分にある(もしくは自分の努力次第で何とか状況を好転できる)ことに気づいていないか、そもそも自分自身でも何が問題なのかよくわかっていないか、あるいは自分自身の至らなさや弱さを正当化することに意識が向きすぎているかのいずれかです。

「自分の課題を解決すること」と「自分を正当化すること」を天秤にかけたら、普通は前者のプライオリティが高くなって然るべきなのですが、他責思考が染み付いてしまうと、いかに自分を正当化するかばかり無意識に考えてしまうようになるので、色々と人生において損をしてしまう機会が多くなってしまうんですよね。

ちなみに二番目の問題点は、「まともな人から距離を置かれてしまう」ことだと僕は思ってます。基本的に人間関係は鏡なので、自分と同じような態度や価値観や思想を持つ人が自然と自分の周りに残るようになります。当然ですが、他責思考の人の周りには他責思考の人が集まり、不平不満が多い人の周りには不平不満が多い人が集まります。楽しくなさそうな人の周りには楽しくなさそうな人が集まり、収入が高くない人の周りには収入が高くない人が集まるのが世界の原理原則です。

上手くいった時は「周りのおかげ」と思った方がいい

学生時代の反省も経て「上手くいかない時は自分のせい」という考え方にはスムーズに適応できたのですが、逆に「上手くいった時も自分の努力の賜物だ」と思うのが普通なんじゃないかと以前の僕は思っていました。

だってそうですよね。上手くいかない理由が自分にあるなら、上手くいく理由も自分にあると考える方が自然です。そう捉えることで、より自責という考え方に自分を馴染ませることができたり、自分を褒めることで自己肯定感も上がるような気がしますから。

だから「成功は周囲のお陰」という考え方が最初はあまりピンときていなかったのですが、自分でビジネスをやるようになって多少の成果を出せるようになった後で、その考え方の重要性に心から納得できるようになりました。

というのも、誰でも多少なりとも結果が出るようになると、程度の差こそあれ、みんな調子に乗ってしまうんですよね。

わかりやすく態度に出たり金銭感覚がバグることはなくても、例えば気が緩んでしまって今までの努力量が落ちてしまうとか、少しずつ生活が弛れてしまうとか、自分では無自覚のうちに調子に乗ってしまうのは誰にでも起こり得ることです。

そうなると当然継続的な成功を収めることもできなくなるわけで、ただの一発屋で終わってしまいかねないんですよね。

そのリスクを抑えるためにも、上手くいった時は無条件で「感謝をする」とか「周りのおかげだと思う」ことをルール化していくといいのではないかと。

よく成功者のインタビューで「運が良かっただけです」と言っているのを見たことがあるかと思います。もちろん本当にそうなのかもしれませんが、そう思うように習慣化しているからこそ、そうした場でインタビューを受けるほどの成功を掴めているんじゃないかというのが僕の意見です。

最終的に何事も「人」が一番大事

僕は自分でビジネスを始めてから8年、独立して株式会社を設立して起業してからは6年が経っていますが、これだけの期間を特に大きなトラブルもなく毎年売上を伸ばし続けてこれたのは、ただひとえに「人に恵まれたから」だと思っています。

それは「お客さんに恵まれた」というのも当然ありますし、僕が道を間違えそうになったりした時に「そうじゃないよ」と注意をしてくれる仲間やメンターに恵まれたり、「この人の前ではカッコ悪いところを見せられないな」と思わせてくれる仲間に恵まれたというのも、とても大きかったです。

それに、どれだけ経済的に成功をしたところで、周りに誰もついてきてくれていない、感謝もしてもらえず、ずっと孤独な状態が続いていたら、それは僕にとって幸せとも成功とも呼べないでしょう。特に起業して成功すると、自ずと同じような立場の人が少なくなるので、孤独さを感じやすくなりますからね。

そういう意味でも、上手くいかないときに周囲のせいにして、自分の成功については自分のおかげだと振る舞うような人って、まともな人なら付き合いたくないと判断するのが妥当でしょう。

もちろん完璧な人間などこの世には存在しないし、僕も自分自身の立ち振る舞いを客観的に振り返り「あの時、なんでああいうことを言ってしまったのか」と悔いることはいまだに何度もあります。

ただ、だからこそ、上手くいかない時に原因を自分の中に見出した上で努力をし、上手くいった時こそ驕り高ぶらずに「あれはみんなのおかげだよ」と本心で言えるような人間でいたいと思っています。

自分自身が率先して実行しないと、この記事が途轍もない威力を持ったブーメランになって返ってきてしまいますから。

結局は「自分が変えられるのは自分だけ」というシンプルな原理原則が一番大事なんだと思います。

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