あなたの情報発信を面白く変えるための3つのポイント

僕は情報発信をビジネスに活用する際には「面白さ」が非常に重要だと考えています。

面白さというと「笑える」という印象を持つ人も多いかもしれませんが、決してそれだけではなくて「興味深い」とか「引き込まれる」とか「新しい世界を知れて楽しい」と言ったように、いかに受け手の感情を動かせるかという視点が重要だなと。

とは言っても、クリエイターでもお笑い芸人でもない、何もない普通の個人に「面白い発信」などできるのだろうかと疑問に思われるかもしれません。

今回は「なぜ面白い発信」が必要になるのかから始まり、具体的に面白い発信をするための3つの方法について触れていきたいと思います。必ずあなたの情報発信も面白くなりますので(!)、ぜひ1つでも参考にしてもらえたら嬉しいです。

目次

なぜ面白い発信が必要なのか

そもそもなぜ発信に「面白さ」が必要なのでしょうか。答えはシンプルです。「わかりやすい発信」とか「役に立つ発信」だけでは、競合他社との差別化ができず、顧客から選んでもらう理由を作りにくいからです。

要するに機能的価値と情緒的価値の話になるのですが、機能的価値だけでの勝負となると、競合と同一直線上の勝負を強いられることになり、自ずと後発組は不利になってしまいます。また顧客視点に立ってみると「そこまで機能的な価値は求めていない」ということも往々にしてありますので、顧客の気持ちやニーズを無視した独りよがりな発信になりかねないというリスクも孕んでいるわけですね。

特にSNSでは、ウケるフォーマットが確立してきていることもあって、同じような投稿をしている人が乱立しています。実績は必ず出した方がいい、数字を使った投稿をする、ノウハウを包み隠さずに出した方がいい。こういった定石に沿ったコンテンツが増え続けていると、情報を受け取る側からすると「誰が誰だか分からない」という感情になりかねません。

そもそも人は感情が動いた時に、モノを買うとされています。

わかりやすいとか役に立つとか、機能的にメリットがあることは大前提ですが、それだけでは人の感情が動くことはありません。心の琴線を震わせるような言葉やメッセージが伝達されることで、人の感情は動かされ、商品の購入や次なる行動に対して前向きになっていくのです。

コピーライティングの世界には「NOT READ」という概念があります。つまり顧客はコピーを「読まない」ということなのですが、コピーの力で商品を販売しようと思っても、そもそも書いたコピーが顧客に読まれることがなければ、商品を購入するフェーズまで辿り着いてもらえません。

これは文章で販売する場合に限らず、例えば、テレビショッピングやセミナーセールス、1対1の商談など、スピーキングで商品を販売する場合も同じです。こちらがいくら頑張って商品の魅力を語り、買い手の生活にどれだけ素敵な変化を及ぼせるかを話したとしても、それを聞いてもらえなければ、あるいは右から左へと聞き流されてしまうと、顧客の購買意欲を高めることなどできないのです。

だからこそ、顧客の心を動かす(=面白いと感じてもらえる)発信をすることが僕たちには求められています。それができれば「この人から届くコンテンツはチェックしよう!」と思ってもらえるようになり、自ずとメルマガやセールスレター、あるいはYouTube動画の開封率も高められるようになります。

ちなみに僕はMcGuffinというYouTubeチャンネルの動画は公開されたら必ず視聴する習慣がついています。このように見込み顧客に対して、あなたのコンテンツを受け取ることを習慣化させることができたら、あなたのビジネスは驚くほど上手く運ぶようになると思いませんか?

「面白い」の感覚は十人十色

そう聞いても、なかなか面白い発信をすることに舵を切れない人もきっと多いはず。きっと彼らは面白い発信ができないのではなく、やろうとしないのです。

なぜか。その理由は多岐に渡りますが、まず前提としてネックになっているのが「情報を受け取る人すべてに価値のある発信をしないといけない」という思い込みです。自分が一生懸命考えて作ったコンテンツがウケなかったらどうしよう、つまらないと思われたらどうしよう、素通りされたらどうしようという不安や恐怖から、何の変哲もない万人ウケするようなコンテンツに終始してしまうケースは本当にあるあるです。

でも、考えてみてほしいんです。あれだけ人気のある『ワンピース』や『鬼滅の刃』でさえも、つまらないと感じる人もいれば、全く興味を示さずに素通りしてしまう人もいます。あなたの学生の頃のクラスの人気者だって、全員から好かれていたわけではないはず。そう考えると、万人から嫌われないようにすることが、どれだけ無意味なことなのか分かっていただけるのではないでしょうか。

特に個人で小さな規模のビジネスを展開していく場合、日本中の、あるいは世界中の人を巻き込む必要なんて全くありません。熱心に情報を受け取ってくれる人が数人でもいてくれれば、それでビジネスは成立するのです。

お寿司屋さんを想像してみてください。例えば、はま寿司やスシローのような大型チェーン店を展開するのであれば、できるだけ多くの人から好感をもたれる必要はあります。ただ、そこに熱狂は必要ありません。家族で入りやすくて、気軽にお寿司を食べられる場所として、少なくとも嫌われていなければ、十分に選択肢のトップに上がってくるわけですから。

でも個人経営の小規模なお寿司屋さんの場合は違います。「このお店がいい!」という熱狂的なファンをいかに作れるかで、店の経営は大きく変わってきます。別に日本中の全てのお客さんから好まれていなくても、少数のお客さんに高単価を払っていただいて、そしてリピートしてくれたり、他のお客さんを連れてきてもらえるような状況を作り出すことが、最善のサクセスルートになるのです。

資本を持たない個人が選ぶべきは「少数のお客さんを熱狂させる道」です。

そして人の好みは様々だということを考慮したら、何も遠慮をしたり、ブレーキをかける必要はないですよね。僕も幸いなことに「あなたの発信や世界観が好きだ」と言ってくださる人もいれば、「お前の発信は役に立たない」と言われることもあります。もちろん、より良い発信ができるように努力をすべきですが、僕としては全然それでいいと思っているし、それが健全な状態だと感じています。

以前とあるお笑い芸人が「俺で笑えないのは知性が低い」と言ったとか言わないとかで炎上していましたが、スタンスとしては全然そんな感じでいいと思うのです。それを公に言う必要はないと思いますけどね。情報発信する際のスタンスとしては「全員から面白いと思ってもらう必要はない」ということは意識していただけるといいのかなと。

ここからは実際に「面白い発信をする」にはどうしたらいいか解説していきます。

①人と違う体験をする

以前、誰かがTwitterで「面白いツイートができないのは、お前の人生が面白くないからだ」的なことをつぶやいているのを見かけました。それも一理あると思います。

普通の人が体験していないような、特殊な体験をした人の話はとても需要がありますし、みんな面白がってその話を聞こうとします。この前ラジオをつけていたら、とあるクリエイターの女性がパリでトラヴィス・スコット主催のパーティーに行ったという話をしていました。

パリでトラヴィス・スコットのパーティーに参加することなんて普通の人にはできないから、まずそれだけでやっぱり話を聞いていて面白いんですよね。(それを嫌味っぽく感じさせず、自虐や笑いを交えつつ、好感度の高いエピソードトークに持っていける話者の技術にも感嘆しました)

基本的に他の人が経験したことのない話って面白いです。大企業を辞めて1年間ホームレス生活をしてみた人の話、40歳になってからプロサッカー選手を目指して奮闘している人の生活、めだかの養殖事業で財を成した人の話、偏差値40から慶應義塾大学に合格したギャルの話などなど。発信を面白くしたければ、人と違う行動をするというのはとても理に適った主張だと思います。

人と違う体験を発信するには、このどちらかしかありません。

  • 今から人と違う体験をすること
  • これまでの人生を振り返って、人と違う体験を思い出すこと

基本的には、まず後者から手をつけていくといいでしょう。人生は人それぞれ違うわけですから、今までの人生を振り返ってみて「これはみんな経験したことがないだろうな」と思えるエピソードを探していくのです。

意外と自分にとっては普通でも、他の人からすると普通じゃないことってあるものです。どうしても、その当時は学校や家庭や地元など、同じ常識を共有しながら生きているコミュニティに身を置いているので、自分の異質さに気づかないのが普通です。例えば、僕の地元である名古屋ではトマトに塩を振ったり、冷やし中華にマヨネーズをかけるのが当たり前だったりしたんですが、それを東京でやったら、普通に友人に引かれたことを今でも鮮明に覚えています。

平々凡々な暮らしをしてきた人でも振り返ってみれば、意外とたくさん「人と違う体験」をしているはずです。まずはそれを洗い出していきましょう。

ただ、それだけだといつかネタは尽きてしまいますし、ビジネスの場において情報発信をしていくのであれば、過去の遺産だけで勝負をしていても、読者の反応は次第に落ちていってしまいます。

だからこそ「積極的に他人と違う行動をする」こともおすすめです。

毎日同じルーティンの中で生きていて、みんなと同じことをして、みんなと同じ情報をインプットして、みんなと同じものを食べて…という行動を繰り返していると、みんなと同じような発信しかできなくなっていくのも無理はありません。

ぜひ今までのルーティンをぶっ壊して「みんながやらないことをやる」ことを意識してみてください。あるいは「今までの自分だったらやらなそうなことをやる」でもいいですし、「行ったことのない場所に行く」でもいいです。とにかく日々の行動に変化をもたらすことで、僕たちの発信する情報にも真新しさと面白さが付加されていくのですから。

②人と違う解釈をする

多くの場合「面白い発信をしよう」とすると、「他の人と違う行動をする」というアプローチを採用される方が多いです。

ただ、ずっと新しい行動をし続けるのも限界がありますし、そこまでアクティブなタイプではない人だと肉体的にも精神的にもしんどくなる可能性もありますよね。それに情報発信活動をしていく際には「自分の頭の中にあるもの」の価値を高めていくことが必要なので、「行動を変える」というフィジカルなベクトルでの解決策だけでは、正直限界があるのではないかと思うのです。

だから、おすすめしたいのは「他の人と違う解釈をすること」です。

物事の解釈を変えることで、仮に他の人と同じ行動をしても、同じ情報をインプットしても、同じ本を読んでも、同じ場所に行っても、同じ生活を営んでいても、オンリーワンなコンテンツを作ることができます。

僕の大好きなコンテンツに、社会派ブロガーのちきりんさんが書かれたお年玉の記事があります。お年玉というありふれたテーマを出発点にして「なぜお年玉をソッコーで使うべきなのか」という意見を独自の視点で語った名文です。

「解釈を変える」ことの最大のメリットは、自分自身の主張や提案に繋がりやすくなるからです。それをすることによって、自分だけの世界観が生まれますし、発する言葉にも独自性や説得力が出やすくなり、「この人の考え方や物事の捉え方が好き」と思ってもらえるようになります。それは最終的に「生き様」に対するエンゲージメントにも繋がっていきますし、真の意味でのファンの増加に寄与するのです。

でも「物事の解釈を変える」と言っても、そんなに簡単なことではないと思われるかもしれません。行動を変えるだけなら、ただ「えいや!」と勢いを持って自分を動かせば、今すぐにできるかもしれませんが、人と違う解釈をして、しかも「面白い」と思ってもらえるような発信ができるかというと、自信のない人も多いかもしれませんね。特にちきりんさんのコンテンツなんかを見てしまった後は。

確かに解釈を変えて面白い発信につなげることは、慣れとトレーニングが必要ですが、今すぐできるトレーニング方法はこの2つです。

  • 誰かの主張に逆張りしてみる
  • 誰かの主張を更に深掘りしてみる

ちきりんさんの「お年玉はソッコーで使うべき」でいうと、前者であれば、逆に「お年玉は使わずに取っておくべき」という立場でメッセージを考えることになりますね。

もちろん「いや、私もお年玉はソッコーで使うべきだと思ってるんだけどなぁ…」と感じるかもしれません。逆張りができなければ、無理に逆張りの発信をする必要はないんです。ただ「敢えて逆方向からの意見を成立させるには、どういうロジックを組めばいいだろう」と考えることで、思考力が鍛えられますし、人と違った面白い考え方ができるようになります。

ちなみに世の自由を謳う方々は「平日の空いてる日に遊びにいけて最高!」みたいな発信をしがちですが、それに対して「いや、友達とか家族とかいないんかい!」みたいな発信をしたら、めちゃくちゃ賛同の声を得られたことがあります。誰かの意見を聞いたら、まずは逆側から考えてあげるトレーニング癖をつけるだけで、自然とゼロの状態からでもオリジナルな考えや意見を出せるようになっていきます。

③具体的に語る

人と違う行動なんて簡単にできっこない。かと言って、人と違う解釈をするのにも長期的なトレーニングが必要だ。そんな人にまずオススメなのが「具体的に語る」ということ。情報発信に慣れていない人の多くは、抽象的な表現を好む傾向にあります。

例えば「ECサイトを立ち上げてから1ヶ月で月商100万円を売り上げた」という文章があったとします。それを更に具体的にすると、どうなるでしょうか。「子ども服のECサイトを立ち上げてから1ヶ月で月商100万円を売り上げた」になりますよね。

すると、どうでしょうか。最初の文章よりも後者の文章の方が、より興味関心を惹くものになったと思いませんか。子ども服って一体どんな商品を扱っているのだろう。仕入れはどうやっているのかな。他のブランドとの差別化はどうしているのだろうか。などなど、具体的にすることで、より「深く知りたい」という知的好奇心を刺激することができるようになります。

あるいは「月商100万円を1ヶ月で売り上げた」という点を掘り下げて、「インスタを活用することで」という文章を加えて具体的にすることで、より興味喚起性の高い発信になりますし、そこをもっと掘り下げて「インスタでプレゼントキャンペーンを活用することで」と書くことで「実際にどうやって取り組んだのだろう」という需要を創出することができます。

また「100万円を売り上げた」ことに対して、その時の気持ちはどうだったのかとか、残った利益は何に使ったのかなどを書くことで、より瑞々しくて、かつリアリティのある情報発信ができますよね。

面白くない情報発信は総じて文章の抽象度が高すぎます。まるで宿題のために嫌嫌書かれた小学生の日記のような文章では人の心は動きません。「今日はサッカーをした。楽しかった」みたいな日記を読んで「面白い!」と思う人はいないはずです。でも、誰とサッカーをしたのか、どんな展開があったのか、どう楽しかったなど具体的に書かれていることで、少なくとも「読める文章」に変わっていきます。

まとめ

特に個人でビジネスをする場合は「属人性」をいかに味方につけるかが大きな鍵となります。にも関わらず、抽象的で没個性的な情報発信しかできないのは、個人でビジネスをするメリットを放棄しているのと、全く同じことを意味してしまいます。

ぜひ、今回の記事でお伝えした3つのポイントを意識していただきながら「面白い情報発信」ができるように試みてくださいね。それでは!

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この記事を書いた人

コギシノゾムのアバター コギシノゾム 株式会社BILLETT、MAKEST代表

スモールビジネス×ブランディングの専門家。副業で月間100万PVを集める情報サイトを運営していたことがキッカケで、マーケティングやコピーライティングの世界に深くのめり込む。2015年に独立起業。以降は個人起業家や中小企業オーナーを対象にブランディングやビジネス構築のコンサルティングを行う。理想の顧客に売り込まずに売れるブランド重視の情報発信ビジネスの提案力が、自分の想いを大切にしたい顧客から多くの支持を得ている。

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