あなたのオンラインビジネスを成功に導く5つの質問

敢えて「オンラインビジネス」と表記しましたが、あらゆるビジネスにおいて最も大事なポイントは「コンセプト」であると考えています。それはいわゆる店舗事業やBtoBの事業でも同じです。そもそも今の時代、オンラインとオフラインの間に明確な線引きをする必要もないですよね。

コンセプトの定義は様々あります。簡単にいうと「誰のどんな悩みを / どんな手段で解決し / 最終的にどんな世界へ連れていくか」を定義づけすることができれば、自ずとコンセプトの基礎が固まっていきます。

コンセプトとは、綺麗な言葉でエモーショナルなキャッチコピーをつけることではないのです。

実際に商品を販売するにしても、ステップメールやLINEで情報発信するにしても、オプトインを促すためのランディングページを作るにしても、コンセプトがブレブレになってしまうと、望むような結果を得ることができません。

というよりも、自分で自分のビジネスを丁寧に理解できていれば、自ずと

  • 誰のどんな悩みを
  • どんな手段で解決して
  • どんな世界へ連れていくか

このあたりは澱みなくスラスラと言語化できるはずです。もしこれができないということは、自分自身のビジネスを自分で正確に理解できていないということになってしまいますし、自信を持って情報発信やセールスもできなくなってしまいます。そうなると、顧客もあなたから商品を買うべき理由を見つけることができません。

本記事ではもう少し深く掘り下げて、ビジネスのコンセプトについて「これを答えられないと超ヤバいよ!」というチェックリストを用意しました。ぜひ確認してみてください。

目次

1.あなたの顧客は誰ですか?

いわゆるペルソナやターゲットが定まっているかどうかという問題です。

ビジネスの経験値が低い初心者の方ほど「世界中すべての人を顧客にしたい」と考えてしまいます。世の中の全員が顧客になれば、それに越したことはありません。しかし、現実的にそれは非常に難しいです。

誰でもお客さんになり得るということは、裏を返せば、誰もお客さんになり得ないということです。

90年代に某有名ミュージシャンが「100万人のために歌われたラブソングに僕は簡単に心を重ねない」といった趣旨の歌を歌いましたが、万人のために歌われた歌は基本的に自分ごととして受け取ることはできません。その一方で、たった一人の心を動かそうと思って書かれた曲や詩が、100万人の心を打つことはあります。

特に起業初期の頃は知名度も実績も欠けていますし、市場からの信頼もたまっていません。そういう時に顧客に選んでもらうためには、個別具体的に顧客像を絞っていく方が好ましいです。

ターゲットを広げるということは、コンセプトの抽象度も上がってしまうことを意味します。するとエッジの効いていないボンヤリとした訴求しかできなくなってしまいます。その場合、顧客はより知名度と信頼性の高い競合か、もっとピンポイントで悩みを解決してくれそうな競合を選ぶようになるからです。

例えば、あなたが「英会話に興味がある人全員」をターゲットにしたとしましょう。

その場合、漫然と英語力を高めたい人は高い知名度と実績を誇る有名な英会話教室を選んでしまいます。海外企業とのZoom商談に悩みを抱えているサラリーマンは、ビジネス英会話に特化したスクールを選んでしまいます。生涯学習目的の高齢者の方は、高齢者に特化したサービスを販売しているスクールを選んでしまいますね。

そういえば、この前、移動中に「K-POPアイドルのような体型になれるトレーニングジム」を見つけました。これもターゲットを絞りまくった非常に興味深いコンセプトですね。

ターゲット設定を曖昧にしても売れるのは、有名なインフルエンサーや、メディアにも引っ張りだこで高い信頼性を持つ専門家など、いわゆる有名人だけだと思ってください。名もなき個人が売れるようになるためには「自分が誰のための存在になるのか」を明確にしましょう。

そして、その自分のターゲットがあなたの存在やあなたの商品に気づいたときに、素通りされないようにすることが何よりも重要です。「この人は私のための存在だ!」とか「どうしてこの人は私の悩みを私以上に理解してくれてるんだろう…!」と思ってもらわないといけないのです。

もし仮にあなたが「ブログ収益化を教えるコンサルタント」として活動したいのであれば、ブログに興味がある人全員をターゲットにしてはいけません。その中でもどんな人を対象にするのかを明確にするべきですし、その際には「どんな人だったら自分を選んでくれそうか」という視点から逆算して考えていきたいです。

2.あなたの顧客はどんな悩みを抱えていますか?

マーケティング用語で、顧客が実際に求めているものを「ウォンツ」、顧客が顕在的に自覚している悩みを「ニーズ」、顧客自身ですら気づいていない潜在的な需要を「インサイト」と言います。

ターゲットを明確にしたら、彼らがどんな悩みを抱えているのかを可能な限り具体的に書き出してみましょう。

下記の記事でも説明していますが、ターゲットの悩みを高い解像度で語れば語るほど、あなたの見込み顧客は「この人は自分の悩み事を解決してくれる人だ!」と感じるようになります。

もちろん、あなたの顧客全員が同じ悩みを抱えていることはないでしょう。例えば「ダイエットに成功したい」と本気で考えている人の頭の中には、

  • 自分に自信が持てない
  • 周りから馬鹿にされているんじゃないかと不安になる
  • 毎日鏡を見るだけで憂鬱な気持ちになる
  • 恋人から冷められている気がする
  • どんな服を着ても似合わなくて悲しい

といったように、様々な個別具体的な悩みが、シチュエーションごとに浮かび上がってきていることでしょう。

たまに「悩みは1つに絞った方がいいんですか?」と質問されることがありますが、一般的に考えて、一人の人間の悩みはたった1つに収束することはあり得ません。ダイエットの例のように、色んな形で、いろんな言語で、色んなシチュエーションごとに、様々な悩みが表層化するのが普通じゃないですか。

ただ、その背景には必ず1人の人間がいるわけで「こういう人だったら、こういう時にこんな悩みが出てくるよね」という1つの統一された軸があるべきです。大事なことは悩みを1つに絞ることではなく、一人の人間を深くまで理解することなのです。

例えば「この子は自分に自信がないわけだから、異性といい感じの雰囲気になっても、どうせ自分なんて…って思ってしまうから、深い関係にまで発展させないように途中でスッと身を引いちゃんだよ」みたいに「なぜそういう悩みを抱えてしまうのか」とか「その結果としてどういう行動をとってしまうのか」にまで想いを馳せることができれば、より解像度の高い顧客理解ができるようになりますね。

まずは、対象となる顧客がどんな人なのかを知ることを徹底し、彼もしくは彼女の抱えているであろう、悩み事や不安、不満、焦りなどを列挙していきましょう。可能な限り具体的に表現するのがポイントです。

3.あなたは顧客の悩みをどんな素敵な方法で解決しますか?

ここまでのフェーズで、顧客が誰なのかを特定することができ、あなたの顧客が抱えている悩みや不満などネガティブな感情を定義することができましたね。

その次にあなたがやるべきは「どんな魅力的な手段で、その悩みを解決できるのか」を言語化することです。そして顧客の抱えているネガティブな状況を解決して、理想的な未来へと連れていくための手段こそが、あなたのビジネスにおける「商品」になります。

ここでのポイントですが、悩みを解決する手段として「How」だけでなく「What」も必ず提示する必要があります。そして、売れない多くのビジネスプレイヤーは、Whatの提示よりも、Howを語ることに終始してしまい、説得力のあるオファーができなくなっているのです。

例えば、ネット集客に悩みを抱えるフリーランスに対して、もっと集客力を高めるための商品をオファーするとします。その際に「マンツーマンのコンサルで集客スキルを伝授します。マンツーマンで丁寧に教えるので、あなたの悩み事は全て解消されます」とHow(提供方法)に焦点を当てても、見込み客の感情はなかなか動かないですし、理屈でも必要性が感じられにくいんですよね。

なぜなら、実際に何をやれば自分の悩みを解決できるのかが不明瞭なので、顧客はその話にベネフィットを感じにくいからです。

逆に「What(何を)」に焦点を当てた場合はどうでしょうか。

例えば「ネット集客の悩みはFacebook広告に取り組むことで解決できます。私は1リストを約500円の予算で獲得できていて、1リストあたりの売上も1万円を超えています。広告初心者にも分かりやすく、Facebook広告の出稿の仕方や、テストの手順、反応の取れやすいクリエイティブやLPの作り方を教えます」といったように、実際に提供する手法を語ることで、顧客は自分が得られるものを明確に理解することができます。

つまり「How」だけでは、手に入るものの明瞭さが足りないですし、必要性を感じにくいのです。

またここでのポイントは、単に「手段」を提案するだけでは不十分で、「素敵な手段」を提案することです。当たり前かもしれませんが、顧客が求めているのは常に「よりよい方法」です。ダイエットに成功するためには、毎日の食事の量を減らして、タンパク質と食物繊維とビタミンを多めにとり、炭水化物と脂質を減らして、毎日1時間ランニングをして、決められた手順の筋トレを行うと良いですが、そんな方法を提案されたからといって、誰もそのプログラムに何10万円も払うことはしないでしょう。

顧客は常に魅力的な手段を求めている。この前提を常に忘れないようにして、あなたの提案する手法が、もっと魅力的にならないか追求していきましょう。

4.顧客を最終的にどんな未来へ導いていきますか?

顧客の抱えている悩みを、あなたの持っている魅力的な手段で解決したら、顧客は最終的にどんな世界へ辿り着くことができるでしょうか。

いわゆる「ベネフィット」を明瞭に語れるようにしましょうということですね。ベネフィットを考える際には「幸せな未来の実現」と「不幸な未来の回避」という2つのベクトルから考えていきましょう。

つまり、商品を購入して価値を受け取った先に待っている幸福な世界と、商品を購入せずに今の問題を放置し続けた先に待っている不幸な世界という二項対立で語れたらOKですね。

当然ですが、抽象度の高すぎる言葉では、人の心を動かすことはできません。

  • 人間関係に恵まれるようになる
  • 集客力が身につくようになる

とだけ言われて「こんな未来を自分も実現したい…!」と心の底から熱狂し、財布の紐を緩めたくなるような人なんて、まず基本的にいないでしょう。

人間関係なら、誰との人間関係がどのように恵まれて、その結果としてどんなストレスが緩和され、どんな気分で日常を送ることができるようになるのかを語るべきだし、集客力ならどんな媒体からどれくらいの集客ができるようになり、その結果としてどんな成果を出すことができるようになって、どんな不安から解放されるかを語るべきです。

スティーブ・ジョブズの初代iPodの有名なプレゼンスピーチを知っていますか?

ポケットに1000曲。これがジョブズが語ったiPodのベネフィットです。もしこれが「この薄型プレイヤーには1000曲入ります」とかだったら、ここまでの大ブームメントは起こり得なかったでしょう。iPodに限らず、スティーブ・ジョブズ時代のAppleは世界を変えるようなプロダクトを次から次へとローンチし、その度に人々は熱狂の渦に包み込まれていきました。

なぜジョブズは世界を変えることができたのか。その答えは、ジョブズは自分のプロダクトがどのように顧客の生きる世界を変えるのか、シンプルかつ具体的な言葉で語ることができたからです。

5.あなたの顧客はなぜ競合ではなくあなたを選びますか?

需要のあるマーケットには必ず競合が存在します。

残酷な真実かもしれませんが、あなた以外にもあなたの顧客のニーズを満たしてくれる存在はどこかにいるわけですし、仮にあなたがビジネスを辞めてしまったとしても、顧客はすぐに他の選択肢を見つけることができるでしょう。スターバックスが日本から撤退してしまったら、きっと多くの人が悲しみます。でも彼らはすぐにスターバックスの存在しない世界に慣れて、タリーズやブルーボトルコーヒーに向かうことになるのです。

世界中に占い師はたくさんいますし、筋トレを教えてくれるパーソナルコーチもたくさんいます。もちろん、誰一人として同じ特徴を持った人はいませんが、少なくとも顧客の問題を解決できる人は、自分以外にもたくさんいることを忘れてはいけません。

だからこそ、ビジネス活動をする際には「他にたくさんいる競合の中から、自分を選んでもらう理由はどこにあるのか」を考えると同時に、能動的な姿勢で「選ばれる理由づくり」に邁進する必要があります。

  • 実績の大きさ
  • 肩書きや社会的権威性
  • 集客の数
  • ライフスタイルや価値観や理念
  • ターゲットの絞り込みの深さ
  • ビジュアル

などなど色々な要素が考えられます。市場の中で競合ではなくて自分を選んでもらうためには、どうすればいいかは常に徹底して追求していくことが大事ですし、少なくとも自分なりの狙いを持って実践を積み重ねる姿勢が何より重要です。

僕はとにかく「絞ること」を徹底しています。万人に受ける存在にならなくても、自分が「こういう人と出会いたい」と思っている人、そして僕のことを必要としている人が何かの偶然で僕のことを知ってくれた時に、素通りされないことを常に意識して立ち回るようにしているんです。

このブログも、そういう気持ちで毎日コツコツ僕ひとりで書き続けています。まだ出会っていない、未来の仲間と出会うことができるように。

まとめ:自分のビジネスに自信を持つということ

あなたが顧客から選ばれる存在になるためには、少なくとも自分の提供しているサービスや、あなたの行っているビジネス、普段の発信しているメッセージに確固たる自信を持っている必要があります。

自分で自分のビジネスのことをよくわかっていないとか、誰のためにビジネスをやっているのか不明瞭だとしたら、どう頑張っても、自分の行なっている活動に対して自信など持つことができません。

今回ご紹介した5つの質問は、真剣にビジネスに向き合っているのであれば、最低限「答えられない」ということはないと思います。それに、集客数がものすごいとか、有名人だとか、そういう特殊な事情がない限り、この質問に答えられないということは「売れない」ことを意味してしまいます。

もし自信を持って、明瞭に答えることができなかった箇所は、テコ入れや再考の余地がある場所になります。あるいは姿勢そのものから見直してみる必要もあるかもしれません。ぜひビジネスのボトルネックを探すためのチェックポイントとしてもご活用くださいね。

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