ネットで売れる商品をゼロから作るには、何から始めたらいいのか

この記事では、全くのゼロの状態から、ネットで売れる商品を作るための現実的なステップと考え方について解説します。

昨今のオンライン起業ブームもあって、ネットでコンテンツを販売したい人は加速度的に増え続けています。これまでのネット上の商売といえば、ブログやYouTubeで広告収入を得ることが一般的でしたが、最近では商品を販売するためのプラットフォームが発達してきたこともあって、「自分もネットで何か商品を作って売りたい」と考える人も珍しくなくなりましたね。

ただ、商品といっても実際には様々です。コンサルティングやコーチングのような直接お客さんと関わる必要のある商品もあれば、オンラインで完結するデジタルコンテンツもあります。デジタルコンテンツにも動画形式のものもあれば、文章で受け取るものなど様々な形態があります。あるいはサブスク型のオンラインサロンの運営に興味がある人もいるでしょう。

また商品を販売する方法も、自社決済もあれば、noteもあれば、BrainやTipsのような情報商材色の強いサイトもあれば、Udemyのようなオンラインコースの販売サイトもあれば、ココナラのようなスキル売買サイトもあり、もしかしたらクラウドファンディングという選択肢を採用する人もいるかもしれません。

このように、様々な選択肢があると「一体何をどのように始めたらいいのか分からない…」と悩んでしまう人も多いのではないかと思ったので、本記事にて「ネットで売れる商品をゼロから作る」ことに特化して説明をさせていただきます。

なおこの記事では、あくまでデジタルコンテンツに特化した内容でお届けしていくので、例えばTシャツとか文房具とか食料品のような有形物をネット販売したい方向けの内容にはなっていません。ご了承ください。

目次

起業初期こそ「商品作り」に時間をかけすぎてはいけない

断言します。「ネットで自分のコンテンツを作って販売したい」と考える人は星の数ほどいますが、その80%以上が「商品を作って販売を開始する」瞬間すら味わうことができずに、途中で挫折してしまいます。

みんな商品が売れないから退場するのではありません。商品を作り終えることすらできずに、このフィールドからドロップアウトしてしまうのです。

その理由は様々ありますが、ゼロからオンラインで売れる商品を作り上げるのは手間暇と労力を要します。今でこそ僕は1ヶ月もあれば新しい商品を作って販売するところまで持っていくことができますが、慣れないうちは半年〜1年くらいはかかるでしょう。

その間の売上はゼロ。しかも起業したての頃は自分のビジネスに確固たる自信を持てているわけでもないのが普通です。だから、焦ってしまったり、SNSなどから入ってくる情報に振り回されてしまったりして、メンタルが落ちていくケースは非常に多いです。それにビジネスのコアが固まっていない状態で商品を作ろうとしても「本当にこの内容でいいんだろうか…?」とか「もっと違う切り口の商品にした方がいいんじゃないか…?」と悩んでしまう人も多いでしょう。

その結果、途中まで作ってきた商品を一旦全て作り直して、振り出しに戻ってゼロから始めるのも「最初の商品づくり」において、よく見られる事例です。

だからこそ、起業初期の頃はできるだけ時間をかけずに商品づくりを完了させて、できるだけ早く売り出してみて、市場からのリアクションを受け取るべきなのです。そして上手く売れたらそれを持続すればいいですし、上手く売れないようであれば、そこからPDCAサイクルを回して、売れない理由を1つずつ潰していけばいい。つまり「売り出さないことには何も始まらない」というわけですね。

完全なる無形商品から始めよ

世界で最も早く完成させることのできる商品は「無形商品」です。

一般的に無形商品と聞くと、オンラインコースとかデジタルコンテンツとか動画を用いたレッスンとか電子書籍のようなものをイメージする人も多いですが、ここでいう無形商品とは、デジタルな場においても形のない商品のことです。

例えば、マンツーマンのコンサルティングやコーチング、あるいは代行業や案件受注のような商品ですね。これらの商品は自分の時間や労働力を商品にして販売しているので、たとえインターネットの中であったとしても「形」のない商品と定義することができます。

そして、これらの商品はあなたに意思と多少の知識があれば、今すぐにでも販売を開始することが可能です。

仮にあなたが周囲からファッションセンスを褒められることが多かったとします。そしてある日、会社の同僚からこんな相談をされます。「週末、マッチングアプリで初めて会う人とデートなんだけど、何を着ていいか分からなくて…。よかったら仕事終わりに洋服選びに付き合ってくれない?」と。あなたはそれを快諾して、仕事が終わった後に一緒にショッピングビルに行って、洋服のコーディネートをしてあげるのです。

友人同士の場合は、報酬として金銭の授受が行われないかもしれませんが「お礼に今度ランチでもご馳走するよ!」と話が進むことは考えられますよね。これも立派な「価値提供の対価」です。あなたのビジネスのサイクルが一巡したと考えても何も問題はないでしょう。

そして、無事にデートに成功したあなたの友人が、今度はまた別の機会にあなたに買い物同行を依頼してきたり、あるいはファッションに悩める別の知り合いを紹介してくれるかもしれません。そうすれば「お客様の声」も徐々に増えていきますね。

それをネット上に公開して、ビフォーアフターの画像なんかも共に紹介していけば、次第に「あなたにコーディネートを依頼したい」と考える新規の見込み顧客も増えていく可能性があります。あなたのサービスに人気が出てくれば、最初はボランティアのような金額で提供していたサービスの単価も、次第に値上げしていくことも可能になります。

このように、まずは完全なる無形商品から販売することで、少しでも「最初のお客さん」を獲得するまでの期間を短くしていきましょう。何度も言いますが、最初の商品作りに時間をかけすぎてはいけません。

1秒でも早くエンドユーザーと接点を持とう

コンサルティングやコーチング、代行業などに代表される「完全なる無形商材」を販売するメリットは、商品のエンドユーザーと密な接点を持つことができることにあります。

起業初期は基本的に市場からの信頼が皆無の状態からスタートすることになります。そんな中で、自分の商品やサービスを継続的に選ばられるようにするためには、とにかく「信頼」をいかに貯蓄するかが重要な焦点となりますよね。

だからこそ、ただ商品を渡して終わりではなく、直接購入者と交流して、彼らの悩みや課題と真摯に向き合い、共に乗り越えていくような信頼性を構築することが求められます。

当たり前に思われるかもしれませんが、ただ英語の教材を購入して自主学習するよりも、週に1回Zoomで顔を合わせながら、時に雑談をしたりして、1人の講師から英語を学んだ方が、より講師に対する愛着も増して、相手のことを信頼できると思いませんか?

もしかしたら、Zoomで話すよりも、直接教室まで出向いてリアルに顔を合わせてレッスンを受けた方が、より親密な感情を相手に対して抱くことができるかもしれませんね。

また、商品を新規顧客に対して販売する場合も「いかに顧客について詳しくなれるか」が成約率を高めるための重要な指標になります。

顧客と1対1で密なコミュニケーションを取ることで、あなたはあなたの顧客に対して詳しくなることができます。あなたの顧客が普段どんな生活をしていて、どんなことを考えていて、どんな不安や恐怖を感じていて、どんな理想を抱いていて、どんなことに躓いているのか、あるいは趣味嗜好や好きなテイストや価値観といった情緒面の特徴を知ることで、それらを普段の情報発信活動に活かすことができます。

そうすると、より新規顧客向けの訴求もピンポイントかつ強いものになり、新規顧客の集客も、もっともっと上手くいくようになりますよね。

だからこそ、僕は起業初期こそ「実際にあなたのサービスや商品や発信内容に興味を持っている人と、1人でも多く直接対話の機会を持つこと」を推奨しています。最初の頃は利益度外視でも構いません。何なら無償で色んな人の悩みを聞くだけでも、大きな財産を手にすることになりますね。

ただ、実際に商品を購入してくれた人は、そうでない人よりも、あなたにとって「より強く参考にすべき人」であることは間違いありません。どんな人が実際にあなたの商品やサービスに身銭を払うのかを知ることは、あなたのビジネスを育てていく上で最上のヒントになりますから。

だからこそ、「オンライン上で商品を渡して終わり!」というタイプの商品よりも、まずは「直接エンドユーザーと関わりを持てる商品」から始めていきましょう。

より「売れる商品」へとブラッシュアップできる

実際に顧客と直接コミュニケーションを取ることで、顧客がどんなことに悩んでいて、どんな箇所に躓いて、どんな不安を抱えているかをリアルに知ることができるようになります。

そこで得られた情報を元に、コンサルティングやコーチングの内容をブラッシュアップしていくことで、より顧客満足度の高いサービスを提供できるようになりますね。今やあらゆるアプリケーションソフトはアップデートを前提として作られています。テレビゲームだってそうですよね。ドラクエもポケモンも販売開始から数ヶ月が経った頃に、新しいステージが追加されたり、あるいは軽微なバグが解消されたりしています。

今や商品は未完成の状態でも販売される時代です。そして顧客が商品を実際に手に取ってから、どんどんアップデートを重ねていくことで、より完璧な商品に近づいていくのです。これはインターネットでコンテンツを配信できる時代だからこそ可能なことです。

僕たちのビジネスも全く同じように考えられます。自信がなくても、コンテンツが未完成でも、とりあえず販売していって、そこから実際に顧客の反応を見ながら、徐々にブラッシュアップしていけばいいのです。特にコンサルやコーチングなどの「完全なる無形商材」の場合は、自分のサービスを提供していくので、一般的な商材と比較しても、はるかに途中での微修正がしやすいです。

多くのビジネス初心者の方々は「完璧な商品」ができるまでは、商品を販売してはいけないと思い込んでいます。その心意気は素敵かもしれません。ただ、まだ商品を販売した経験を持たない人が、最初から完璧な商品を作るのはハッキリ言って無理です。

商品を作っている約半年間の間に、人は成長するし、考え方も変わります。もしかしたら小説も同じかもしれません。半年後の自分が半年前の自分が書いた文章を読んで「書き直したい」と感じるのは、ごく自然なことのように思います。それでも小説家には締め切りがあるので、書き続けないといけません。書き終えたものは出版されて人々の元に届くことになります。そんな中で「名作」と呼ばれる作品が出来上がっていくのです。作者の納得度とは関係のないところで。

だから、とにかくあなたも早く商品を売ってしまいましょう。そして直接顧客からフィードバックをもらいましょう。顧客のリアルを知りましょう。

もしかしたら、あなたが自分のサービスに対して自信を持っていたポイントと、顧客が価値を感じてくれたポイントは全く異なるものかもしれません。それを知ることができたなら、今度は「顧客が真に価値を感じてくれた部分」をフォーカスして、新規の顧客に届ければいいわけです。

それを繰り返していく上で、次第にあなたの商品は「完璧」に近づいていきます。完璧な商品はあなた一人では作ることができません。実際に販売をして、顧客と共に作り上げていくものなのです。

新しい商品を提案できる

これもマーケティングの鉄則ですが、新規の顧客に新しく商品を購入してもらうよりも、既存の顧客に別の商品を買ってもらう方が遥かに難易度が低く、そしてコストがかかりません。

あなたは顧客と密なコミュニケーションを取る中で、顧客が真に悩んでいる対象を知ることができ、顧客が新しくぶつかった障壁を知ることができます。そしたら、今度はその顧客に新しい商品を提案することができますよね。

数年前、顎関節症に悩まされていた僕は整体に通うことにしました。僕は顎に問題があると思ったので、当初は即効性のある治療を行うために、顔や首周りの鍼治療を行っていたのですが、症状が和らいでくると、根本の原因は股関節周りにあることが分かったのです。そして、僕は追加で股関節周りのストレッチのオプションを購入することにしました。要はこういうことです。

集客に悩んでいる人は、次にセールスに悩むかもしれない。ダイエットに成功した人は、次は筋トレをしたくなるかもしれない。僕の周りの筋トレオタクの人たちは、なぜかムキムキのマッチョになった後に、全身脱毛に通うようになります。おそらく自分の裸を見る機会が増えて、美意識が上がって、より綺麗な体になりたがるのだと思います。だから、トレーニングジムを経営する会社が、脱毛サロンを経営するのは、すごく理にかなったことですね。

顧客と接点を持ち、顧客を導いていき、新しく生まれた障壁に対して、最適な商品を新しく提案していく。この流れを作ることができたら、自然と新しい商品の購入も増えますし、1人の顧客と長期的に深い関係性を構築することができるようになります。

売れたら供給を絞ればいい

本記事で「完全なる無形商材」と紹介しているコンサルティングやコーチングのような労働集約性の高いビジネスは、基本的に時間や労働力を切り売りしているのと同じなので、顧客を無限に獲得し続けることはできません。

必ずどこかで頭打ちがくるものです。サービスの提供方法(価値提供の頻度やサポート内容)にもよりますが、だいたい1人につき50人〜70人くらいが限界なのではないかというのが、僕の肌感覚です。サポートを雑にして、200人、300人と顧客獲得することも可能性としては考えられるかもしれませんが、悪評が立つ等のリスクを考えても全くオススメはできません。

では、頭打ちが来たらどうすればいいかというと、まず提供している商品の供給数を絞ればいいのです。あるいは商品購入のハードルを高めてあげて、今後長く付き合っていきたいと心から思えて、「良いお客さん」になってくれそうな方にだけ商品を提供していくのも定石ですね。

  • 購入の条件を厳しくする
  • 審査制など購入までのステップを細かくする
  • 商品の単価を上げる

といった施策は、商品購入のハードルを高くする上で、非常に有効な手ですね。

基本的にあなたにとって最高の商品(あなたが最も労力をかける商品)は、誰でもいつでもどこでも買えるものであってはいけません。起業初期の実績も信頼も何もない段階では、ある程度は商品の購入資格もオープンにしてあげて構いませんが、既に売れてきたのであれば、供給を徐々に絞ってあげるべきです。

需要を高めて、供給を減らす。これが売れる商売の鉄則ですからね。

労力をかけない商品を用意する

とはいえ、商品を購入したいと考えている顧客に「何も売らない」のは、現実問題として機会損失が非常に大きく、シンプルにもったいないと言えるでしょう。デジタルマーケティングの世界には「ウェイト・リスト」という概念が存在します。

ウェイト・リストとは直訳の通り「待っている人のリスト」という意味です。定員オーバーや品切れ等の理由で商品を購入できなかった人に「こちらに登録をしておけば、次に募集するときに優先的に案内をお届けするから、ぜひ登録してください」といった具合にオプトインを促します。そして実際にオプトインしてくれた人たちのことをウェイト・リストと呼ぶのです。

一時期は、購入できなかった顧客にはウェイト・リストへの登録を促して、次回のセールスまで待ってもらうという施策が一般的でしたが、今の変化が激しい時代において、見込み顧客に何も商品をオファーせずに待っているだけでは、他の競合のところに向かわれてしまう可能性が高まってしまいます。

だから、自分ができるだけ稼働しなくてもいいような商品を用意して、そちらをオファーするという形をとっていきましょう。例えば、グループコンサルでも良いですし、セミナーでも良いですし、オンラインサロンのような形式の商品を用意しても良いですね。デジタルコンテンツの売り切りという選択肢も考慮に入るかもしれません。

いきなり、こうしたデジタルコンテンツを単体で売ろうとしても、商品作成に時間がかかりますし、実際の顧客の悩みを知らないので、的を射たコンテンツを作ることも難しいでしょう。ただ、まずは完全なる無形商材によって、顧客との密接な接点を持った上で、実際に顧客が躓いたり悩んだりするであろうポイントを抑えた上でコンテンツを作ることができれば、驚くほど高品質な商材を作ることができます。

ちなみにこのブログの記事も、僕のコンサルティングを受けてくれている、ビジネス系分野のコンテンツマーケティングを行っているHくんと、コミュニケーション分野のコンテンツマーケティングを行っているTさんのことを想像しながら書いています。

そうすることによって、彼らのためになるコンテンツを作ろうという意思を持って記事を書くことができるので、迷うことなくスラスラと文章を書くことができるのです。

ということで、まだネットで売れる商品を作ったことがないのであれば、「完全なる無形商材」から作って、販売するようにしてみてください。「作って」と言いましたが、特に商品を作る必要もないので、セールスページと決済さえ用意すれば、すぐに売り出すことができますね。

そして、商品の売上を伸ばす過程で、様々な課題に直面すると思うから、それを1つずつクリアしていきましょう。徐々に売れるようになってきたら、1人1人の顧客と密に関わってください。そして、あなたの顧客はどんな人なのかをできる限り正確に把握するように努めるのです。そうすれば、新規の顧客を集める際のコピーライティングやコンセプトメイキングに大いに役立つ情報が得られます。

完全なる無形商材が売れて売れて困ってしまうレベルになったら、購入のハードルを上げて大丈夫です。そして、その商品が買えなかった人向けに、あなたの稼働レベルを落とした商品をオファーしてみてください。これはいわばライト版のようなものです。メルセデスもAクラスからSクラスまで多種多様なランクを揃えていますが、それと同じです。

こういう流れでビジネスを実践していけば、スムーズにお金と時間の余裕のある生活を実現できるようになります。まずは「顧客との接点を持てる商品」から始めるということをぜひ心掛けてみてくださいね。

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