「集客ができない」人の問題点:全てを一人でやろうとしすぎている

オンライン起業における初期の最難関が「集客」です。

元々の本業等で質の高い人脈を持っていたり、SNSやYouTubeで数多くのユーザーと繋がっている場合は、いきなり大量かつ精度の高い集客が可能となるでしょう。例えば、人気のインスタグラマーやYouTuberがD2Cブランドを立ち上げて、初月から大勢のファンが購入してくれるようなケースは多々見受けられます。

その一方、何も影響力を持っていない個人の場合、集客には時間がかかります。

どれだけ頑張ってブログ記事やYouTube動画を投稿したり、SNSに毎日投稿を続けても、自分のビジネスのターゲットになりうる人からの認知を獲得するには、それなりの月日を要するものです。(それに各メディアで集客を軌道に乗せるには、メディア特有の文化やアルゴリズムを学びながら「攻略」を頑張る必要があります)

ちなみに僕がゼロからメルマガを始めてから初めての登録があるまでは、約3ヶ月の月日がかかりました。あまりにもその期間は長すぎましたし、初めて登録があった時は「きっと何かの間違いだろう」と思いました。今では良い思い出です。

今は広告を使った集客も主流です。ただ、まずは自分のメディアやSNSを充実させて「無料集客」から始める人が割合的には大多数を占めるのではないでしょうか。

ただ、そのほとんどの人が結果的に集客が上手くいかずにオンラインビジネスの世界からドロップアウトしていくのが世の常です。頑張って書いた記事が誰にも読まれず、頑張って企画・撮影・編集した動画をYouTubeにアップしても数10再生しか伸びず、インフルエンサーのnoteを参考にTwitterに毎日10投稿しても永遠に「いいね」がゼロのまま。

その状態に心が折れてしまい、1年足らずでコンテンツ配信が滞ってしまう起業家志望の方々を僕はたくさん見てきました。

ではどうすればいいのか。答えは「他者の力を借りる」ことです。

目次

集客初期こそ他者の力をフル活用する

全く影響力を持たない個人が、ゼロから集客のスピード感を上げるためには「他者の影響力を借りること」が最も効果的です。

欧米圏のメタファーに『巨人の肩の上に立つ』という言葉が、日本のことわざに『虎の威を借る狐』という言葉があります。『虎の威を借る狐』はネガティブな意味で受け止められがちですが、『巨人の肩の上に立つ』は「先人の偉業に基づいて仕事をすることで、先人よりも能力が劣る人でも立派な成果を出すことができる」というポジティブな文脈で用いられることが多い言葉です。

集客もそれと同じです。既に集客力のある人物、企業、メディアの力を借りることで、他者の影響力や集客力、あるいは信頼性を使わせてもらうことができるのです。

SEOの世界には「被リンク」という概念があります。高い影響力を持つWEBサイトから被リンクを貰ったサイトは、リンク元サイトの影響力の一部を譲り受けることができるので、検索エンジンから高く評価されるようになります。その結果、狙ったキーワードでも上位表示がされやすくなります。

また、別の例を出すと、ビジネス書の帯に著名人からの推薦文が掲載されているのを見たことがある人は多いでしょう。帯の推薦コピーに有名企業の創業者や、堀江貴文氏のような有名なインフルエンサーの名前が掲載されていたら、仮に本の著者がよく知らない人であったとしても「この人がオススメしているんだから買ってみよう」という気持ちにさせられるものですよね。

集客もそれと同じです。初期段階では兎にも角にも「発信の拡散力」と「市場からの信頼性」が足りていないので、それを代行してくれる「巨人」や「虎」の存在が必要です。(奇しくもプロ野球みたいになってしまいましたね)

ひとりでコツコツ頑張っていれば、いつか何かが起こるような気がする…という甘い幻想に惑わされて、いつ実るかもわからない努力を積み重ねるくらいなら、早く自分にとっての理想的な「巨人」を見つけるほうが効率的であることは間違いありません。

「巨人」の集客力をどう活用するのか

例えば、ブログであれば弱小ドメインで誰にも読まれていない自分のブログにコツコツと記事を書き溜めていっても、伸びるまでにはかなりの時間がかかってしまいます。(トレンドキーワードを使う等の手はありますが、ブランディングと集客目的のブログ運営であれば、その手法がそぐわない可能性も考慮すべきです)

それよりも、既に影響力と集客力を持っているブログに営業をかけて「自分の記事を書かせてもらえないか」と依頼した方が、遥かに多くの認知獲得が期待できます。そして、コンテンツの中に自分のブログやSNSアカウント、あるいはLPへの導線を組み込むことができれば、更に集客効果を高めることができますよね。

あるいは自分のブログを伸ばしたいのであれば、自分よりも知名度やSNSでの拡散力の高いライターさんに報酬を支払って記事を書いてもらうことも有効ですね。そしてSNS等のメディアで宣伝までしてもらえれば、初期段階でも大量のトラフィックを獲得することが可能です。

あるいは、Twitterでも毎日毎日自分の主張や意見ばかり、一人でツイートしていてもなかなか伸ばすことができません。それなら、積極的に他の誰かのツイートにリプを送ったり、引用リツイートをする方が、早く認知を取れるようになります。インフルエンサーのバズを起こしているツイートにリプを送るだけでも、大量のインプレッションを獲得できますからね。

それに「返報性の原理」も働きます。自ら誰かに絡みにいくことのないアカウントよりも、積極的に他者と交流しているユーザーの方が、交流の対象になりやすくなるのは明らかです。

事例1:オウンドメディアを伸ばすためにやったこと

かなり昔のことですが、僕が初めてオウンドメディアを立ち上げた時、毎日毎日記事投稿をしていましたが、一向に伸びる気配がありませんでした。(寝る前にAnalyticsの管理画面を見ては、よく悲しい気持ちになったものです)

オウンドメディア経由でメルマガリストを獲得していましたが、最初の1件の登録が入るまでに要した月日は3ヶ月。しかもその後も約2ヶ月ほどの間は1日1件入るか入らないかの低空飛行が続いていました。

その状況を打破するために、僕が実践したのは「STORYS.jp」というサイトへの記事投稿です。今でいうnoteに近いサービスになりますが「個人のストーリー」を投稿することに特化したサイトで、質の高いコンテンツを投稿できれば運営側も猛プッシュしてくれるようだったので「これはいけるかも…」と思ったんです。

そこで僕は反応の取れているコンテンツと、そうでないコンテンツの違いを分析しました。ジャンル、文体、一文の長さ、画像の使い方、改行のタイミング、全体の文字数など「STORYS.jpでウケやすいコンテンツ」の特徴を理解した上で、それに沿ってコンテンツを作り、最後に自分のオウンドメディアへのリンクを貼りました。

その結果、狙い通りのバズを起こすことができました。唯一予想外だったのは、そのコンテンツがYahoo!ニュースに取り上げられることになったことです。その結果、僕のオウンドメディアは「Storys.jp←Yahoo!ニュース」という3階層のバックリンクを獲得することができ、あらゆるキーワードで上位表示ができるようになりました。

それからは3年以上にわたり、新規での記事更新ペースをかなり減らしても、オウンドメディア経由で1日平均5件前後のリスト獲得ができるようになりました。

事例2:ECサイトを伸ばすためにやったこと

EC事業を新しく始めた時、事前にSNSアカウントを持っていたわけでも、特別な販売ルートを持っていたわけでもなく、何もかもがゼロからのスタートでした。そんな状況で商品をただ仕入れてきて自社ECで販売していても、まずお客さんを集めることができません。

そこで実際に行ったのが、Instagramでインフルエンサーに商品をプレゼントして宣伝してもらうキャンペーンでした。もちろん、インフルエンサーといっても、ただフォロワー数が多いだけでは意味がありません。

「この人に商品を紹介してくれたら、将来的に商品の売上が増えるだろう」と期待できる方に依頼をしました。将来的なお客様になりうるであろう属性のフォロワーがどれくらいいるのか。フォロワーとの距離感の近さや普段のコミュニケーションの取り方。また普段の投稿の雰囲気や案件の多さなど。

ここで「フォロワーが多い人に片っ端から声をかけよう!」と思考停止なアプローチに終始していたら、確実にうまくいっていなかったはずです。

結果としてローンチから1ヶ月で、月商100万円を超えるようになり、すぐに月商500万円前後を安定して売り上げられるサイトに成長していきました。

事例3:クライアントを獲得するためにやったこと

僕がコンサルタントとして駆け出しの頃によくやっていたことに「教材を購入して、成果を出して、推薦文を書いて、教材の販売者に掲載依頼を送ること」があります。

もちろん掲載されたこともあれば、非掲載だったこともありますが、推薦文を送った相手は喜んでくれました。また実際に出した結果について細かく言及をしたことで、その推薦文経由で僕のことを知ってくれた方から問い合わせがあり、最終的に成約まで至った事例は何度もありました。

前述した「他者のサイトに寄稿する」にも通じることですが、実際に自分が所属しているコミュニティや人間関係をオンラインで可視化させることで、比較的簡単に新しい出会いを引き寄せることができます。

SNSを伸ばしたいのなら

その時々のアルゴリズムによるので何とも言い難いですが、「有益なコンテンツをコツコツ積み上げれば、いつか数字もついてくる」というのは幻想に過ぎないのかなと思います。

SNSもGoogleの検索エンジンも基本的には多数決の論理が採用されやすいです。つまり「みんなが良いと思っているもの」が上位表示されたりタイムラインに上がってきやすいということです。そして「みんな」の中でも影響力や権威性がある人が「良い」と意思表示したコンテンツやアカウントが伸びやすいのは言うまでもないでしょう。

誰にとっても最も簡単なのは「リアルの人間関係」をネットに持ってくることではないでしょうか。「そんなこと言われても、自分の周りの人はそんな積極的にSNSなんかやってないし…」という場合は、SNSに対してアクティブな姿勢を持っている人たちのコミュニティに参加してみるのも1つの手です。

僕が主宰しているビジネスコミュニティでも、Twitterを攻略するための小さなグループがあります。あるいは朝活や読書のオンラインサロンのような、SNSを日常的に使っている人が集まっている場所に参加するのもアリですね。まずはリアルな人間関係を作り、それをネットに落とし込む。これが何というか人間社会のあるべき姿なんじゃないかなと思います。

「積み上げ」が大好きな日本人

Twitterを開くと多くの人々が「今日の積み上げ」というハッシュタグをつけて投稿しているのを目にします。誤解のないように言っておくと「積み上げ」自体は何も悪いものではありません。世の中の大半の人たちが、何かを長期的に継続することなく挫折してしまうことを考えると「積み上げ」の持つ価値は偉大であるということに議論の余地はないでしょう。

しかし目的を達成する手段であるはずの「積み上げ」がいつしか目的になってしまい、積み上げをすることに満足感を覚えてしまう人が多いのまた事実ではないでしょうか。

もちろん、当人の目的が「積み上げ」そのものにあるのであれば何も問題はありません。日々の積み上げに喜びを感じ、毎日継続して何かに取り組みことに生きがいを感じる人生は、とても純粋で素敵だと思います。それを5年、10年と繰り返すことができれば、おそらく何らかの形で何者かになることもできるでしょう。

しかし、本当の目的が「売上を伸ばすこと」にあるのならば、過剰なまでの積み上げ至上主義からは距離を取らないといけません。つまり「売上を伸ばすためにはどうすればいいか」を逆算して考えなければいけないということです。

今は誰にも見つけてもらえていないけど、毎日コツコツTwitterに投稿したり、記事を書いたり、動画をアップし続けていたら、いつかきっと「何か」が起こるはず…。そう甘い期待を寄せて日々ひとりぼっちで積み上げを続けるのは「勤勉」でしょうか。それとも「思考停止」でしょうか。

僕は目的意識を持った上で、1つの手段として「積み上げ」を図るべきだと思います。つまり最終的に達成したい目標をクリアするために必要なことを知り、戦略を立てることがファーストにあるべきです。

自分のメディアを育てることも大事です

僕はこのサイトを文字通りコツコツ育てています。何かページビューを伸ばすための特別な戦略や狙いがあるというわけではなく、このサイト経由でバズを起こしたいという感覚もありません。

では何のためにブログを運営しているかというと、例えば広告だったりTwitterやInstagramのようなSNSだったり(今はそこまで真剣に取り組めていませんが)広く浅くリーチできるメディアで僕のことを知ってくれた人に、このサイトを見てもらい、より深いところまで僕の考え方を知ってほしいという思いからです。

そこには明確な目的意識があると思っていますし、あるいはもっと抽象度が上がりますが、僕の考えや人生に対する思い、これまでやこれからの活動を1つの場所にまとめたいという気持ちもあります。それで興味を持ってくれた人は、きっと良い仲間になれると思うし、興味を持ってくれなかった人はまた違う別の場所を探してくれればそれに越したことはありません。

この辺りのマーケティング的な考え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

ブログもYouTubeも自分の名刺代わりになりますし、実力や価値観、理念、人となりを証明するコンテンツとして機能します。実際に僕のコミュニティに参加してくださった方に直接話を聞いてみても「広告経由で知って、その後ブログの記事を隅から隅まで見て、一貫性を感じて信頼に繋がった」という声をよく聞きます。

そういう狙いを持っている場合は「良質かつ独自性の高いコンテンツを積み上げていく」ことの持つインパクトは大きくなります。ただ、そうではなく「とりあえず習慣のため」とか「ひとまず100記事目標!」というモチベーションでブログ記事を書き続けるのは、考え方を見直す余地があるのではないかと感じます。

結論:一人でやろうとしすぎない

気持ちはわかります。「1人でコツコツ」ってなんだかんだで精神的に楽なんですよね。自分のペースで全てを完結させることができるし、痛みを伴うこともない。だから1人でブログを書き続けたり、動画を撮ってアップし続けたり、SNSの投稿をし続けるわけです。僕も最初はそうやっていたのでよくわかります。

でも、それで上手くいく人はやっぱり一握りなんです。「待ちの姿勢」で誰かに見つけてもらって、勝手に引き上げてもらえるほどビジネスも人生も甘くはないんだと思います。

だから最初の頃は特に「泥臭く営業する」ようなムーブも必要になりますし、「巨人の肩に乗る」意識も持っておくに越したことはありません。そして「肩に乗せてもらう」ためにはどうすればいいかを考えて、実際の行動に移す必要がありますね。

結局のところ「1人でコツコツ」から脱却するということは「主体性」の話なのかもしれません。自分のビジネスや発信を軌道に乗せることに主体性を持とうとすれば、自ずと巨人の肩に乗せてもらうという発想も生まれるはず。ということで頑張っていきましょう。

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